毎年5月20日を「百部経会」として、あさより法華読誦経会を開いています。
本年は、3年ぶりに例年の内容にして厳修いたしました。朝6時の朝読誦会に始まり、10時からの法華読誦法要・11時から法話・最後にお施餓鬼法要を厳修する盛りだくさんな1日となっております。
朝の部・午前の部には、法華経を一心に読誦いたします。本年も6人の僧侶で午前の部を勤めさせてもらいました。
常妙寺に伝わる『日蓮聖人ご真筆・四条金吾御返事』を参集された方、お焼香をしてもらいひとり一人にゆっくりと頂経させて頂きます。年に1回、「百部会」の時だけ日蓮聖人の御遺徳の一端に、直接触れてもらえる機会として大切にしています。さすがにこの時は、何度行っても大聖人のご真筆に触れる時は、緊張して身が引き締まります。
第一部を終えて、準備を整えたらご法話の時間としています。
本年は、同じ達師法縁としていつもお世話になっております久留米の妙正寺御山主 田中潮順 上人をお招きして50分のお説教を賜りました。
田中上人のご法話が、これまたよかったです。耳に聞きやすい口調で、聴衆にイメージを作っていきながら、心に染み入るようにお話をされていました。住職の私もあまりに聞き入ってしまい、次の座の準備を忘れてしまいそうになっていました。
お祖母さまの体験談のカリンハチミツのお話から始まって、『良薬』のこと、そしてまた実体験としてのお祖母さまの弔いの時のことと丁寧に紡がれてお話をされていました。ジーーんと心に染み入るお話から最後は「自分のなかで作り上げていた〝慢の心〟を気づいて捨てること」の大切さをあらためて教えてもらえたように思えました。聴衆の檀徒さんも、「住職、とっても良い時間にでしたね」と言われたのは、住職としても嬉しかったです。
法話のあとは、最後にお施餓鬼法要を行います。散華・行道を交えながら一切の霊位を丁寧にご供養いたします。
僧侶は、御宝前を回りながら『旗・水・香』をもってご供養いたします。
参詣された方は、正面に進んでお焼香にてご供養いたします。正面に奉安しました百部経札をお持ち帰りいただきます。常妙寺で1番お経の上がったお札になるかと思います。
およそ3時間に及ぶ法要一座です。参列される方も大変ですが、全てを終えるとなんとも言えない充実感があります。今回は、豆ご飯をお土産に持って帰れるようにいたしました。写真に残してないのが、痛恨の極みです。
今年は、3年ぶりに『百部経会』を例年のように開催させてもらいました。昨年まで短縮で勤めていたことを思うと、最後までしっかりと厳修できたのにはとても感慨深いものがございました。法要が終わって挨拶する時に、思わず胸に込み上げるものがありました。自分でも驚いきました。
常妙寺の住職として『百部経会』は特別の法要であることを、あらためて思い知らされる法要になりました。